ー外構フェンスの特性と選択肢|外構フェンスの基礎設置技術の解説ー
外構を彩るフェンスの設置には、エクステリアの目的に合った選択が重要です。コストや外観だけを重視して選ぶと、望む機能性を確保できない場合や、景観が不調和になる可能性があります。
この記事では、外構用フェンスがどのような特性を持っているのかや、その基礎を設置する方法に焦点をあてて紹介していきます。
外構フェンスの目的と機能性
外構フェンスは、プライバシーの保護や境界の明示など、多岐にわたる目的で利用されます。フェンスの選定では、求める機能性を事前にしっかり特定しておくことで適切な選択が可能となり、後悔しないフェンス選びが可能となるでしょう。
以下では、目的に応じたフェンスの選択肢を解説します。
プライバシー保護用フェンス
居間にいて外からの視線が気になる、または道から直接玄関が見えてしまう場合、プライバシー保護のためのフェンスが適しています。
プライバシーを守りつつも開放的な雰囲気を保持できるフェンスも存在します。たとえば、縦方向の格子フェンスは、移動する人や車の視線を遮るのに有効であり、その洗練されたデザインは現代的な住宅にも合わせやすいです。
その一方で、横方向の格子フェンスは正面からの視線を遮ることに特化しており、隣家との境界など一定方向からの視線を遮りたい場合に適しています。横に延びる格子は、庭をより広く見せる視覚的な効果も期待できますよ。
音響遮断フェンス
騒音を減少させる目的でつくられた、吸音能力を持つ多孔プラスチック製のパネル形状フェンスです。このタイプのフェンスは、住宅地に近接する小売店の駐車スペースなどで頻繁に見られ、私有住宅でも駐車場やエアコンの外部ユニットからの騒音を遮断するのに利用されています。
コストはアルミニウム製フェンスより高いものの、近隣住民との騒音に関する問題を避けるために採用される場合もあります。
駐車スペース向けフェンス
駐車エリアの入出口や、駐車場と道路の間に取り付けられるフェンスを指します。伸縮自在なアコーディオン式、横にスライドするタイプ、または上方に開くタイプなど、形式はさまざまです。
選択する扉のタイプは、利用可能なスペースによって大きく左右されます。たとえば、スライド式の扉に必要な収納スペースがない場合は、上方に開くタイプが選ばれる場合が多いです。
さらに、リモコンで操作して開閉するタイプの扉もあり、便利性が高く評価されています。
ガーデニングフェンス
ガーデンの区分けや植物の配置を引き立てるために、木製のラティスフェンスや低めの花壇フェンスなど、ガーデニングに適したフェンスが活用されます。これらは、ペットの活動範囲を庭内で制限するためにも役立ちます。
設置が簡単で、地面に挿入するタイプや自立型のフェンスは、園芸店やホームセンターでも簡単に購入が可能です。木や樹脂製のフェンスは自然に植物とマッチし、ラティス一つで洋風の爽やかな雰囲気をつくり出せます。
金属製のスチールフェンスなど粗いメッシュのフェンスもあり、蔓性植物を這わせるとほどよい空間が生まれ、植物がつくる木陰で涼しいガーデンスペースを楽しめます。
間仕切りタイプと自由柱タイプ
外装フェンスの設計では、柱の配置には二つの主要なタイプがあります。間仕切りタイプと自由柱(フリーポール)タイプです。
間仕切りタイプは、フェンスパネルの間に柱が設置されている形式であり、自由柱(フリーポール)タイプは、フェンスのうしろ側に柱が配置されている形式です。
一般に、設置の柔軟性を求める場合には自由柱(フリーポール)タイプが選ばれますが、隣接する家との間でコストを分担してフェンスを設置する際には、表裏のない間仕切りタイプが選ばれることが多いでしょう。
外構フェンス基礎の選択肢
外構フェンスの設置には、フェンスの柱を支える基礎が欠かせません。基礎のタイプは多岐にわたり、その用途や設置場所に最適なものを選定するのが重要です。
このセクションでは、よく使われているブロック基礎と独立式基礎に焦点をあててご紹介します。
ブロック基礎
外構プロジェクトにおいてフェンスを設置する際、よく用いられるのがブロック基礎です。独立型基礎と比較してコストがやや高めですが、耐久性に優れ、ブロック自体のバリエーションが豊富で見た目にも魅力があります。
ブロック基礎の施工は、単純にブロックを積んで支柱を立てるわけではありません。ブロックが移動したり、沈下することを防ぐための丁寧な工程が求められます。
施工は、まず掘り起こした土の上に砕石を敷き詰め、それを圧縮固定。その上に鉄筋を配置し、コンクリートの基礎を築いたあとにブロックを設置します。
この一連のプロセスを正確に行うためには、外構工事の専門家への依頼がおすすめです。
独立式基礎
独立式基礎とは、柱を設置するために使用されるコンクリート製の基盤です。その施工方法の単純さから、自分での設置も可能で、DIYプロジェクトにも適しています。
設置する柱の位置に穴を掘り、穴の底には高さ調節のためモルタルを流し入れます。そのあと、穴に独立式基礎を挿入し、周囲をモルタルで埋め固めることで設置が可能です。モルタルが固まったあと、掘った穴の上部を土で覆い直し、外見をきれいに仕上げます。
独立式基礎はブロック基礎と比較して、特定の柱の位置にのみ設置されるため、コスト面での利点があります。
しかし、強風下での目隠しフェンスなど風圧が気になる構造物の基礎として使用する際には、風力によって曲がるまたは倒れるリスクがあるため、注意が必要です。
外構フェンスに適用される高さの規制
住宅用フェンスの設置には、高さに関する規制が存在するため、注意が必要です。
10cm厚のブロック基礎に設置されるフェンスは、特定の例外を除いて、通常は高さ100cmの上限が設けられています。100cmを超える高さのフェンスを希望する場合は、12cm厚のブロックを使用したり、独立型基礎を用いて設置すれば対応が可能です。
フェンスが過度に高いと、不必要な圧迫感を感じさせたり、視界を遮る場合あります。そのため、フェンスの目的を外構工事のプロフェッショナルに伝え、最適な提案してもらうことが望ましいですね。
フェンス設置前に求める機能をはっきりさせよう
外構フェンスには、その機能に応じていろいろなタイプが存在します。
フェンスの選択時には、その素材や見た目に注目が集まることもあるでしょう。たしかに、外構フェンスは住宅の外観を形づくるうえで重要な部分であり、デザインの選択も大切ですが、フェンス設置の目的としてどのような機能が必要かを事前に考慮することが大切です。
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